Aphidのひみつ


Aphidとは…

AA−8エイフィド空対空ミサイル(AA-8 Aphid Air-to-Air Missile)

形式:短距離空対空ミサイル
名称:ロシア名:R-60 NATO名:AA−8エイフィド
部隊配備年:1975年
全長:2.08m
直径:0.13m
全幅:0.43m
ミサイル重量:65kg
弾頭:6kg高性能爆薬
効力半径:1.3m
主な搭載機(ヘリコプターを含む):Su-15、Su-17、Su-24、Su-25、Su-27、Yak-38、MiG-21、MiG-23、MiG-25、MiG-29、IG-31、Mi-24、Ka-50など
誘導方式:赤外線ホーミング
燃料:固体燃料
最高速度:マッハ2.5
最大射程:5km
目標最大G:12G
目標追従旋回率:8度/秒
ジンバル・リミット:20度

<開発>
AA-8エイフィドは1975年に旧ソ連が開発した同国初のドッグファイト専用空対空ミサイルです。西側のAIM-9サイドワインダーに相当する赤外線誘導の比較的小型のミサイルです。ペルチェ効果を使用して赤外線シーカーを冷却することにより全方位ホーミングが可能となっています。最高12Gまでの機動目標を追尾することが可能なうえ、シーカーのジンバル・リミットが20度あるため、大きなアングルオフ(目標針路と自機の針路の交差角度)での攻撃が可能です。またAA-8エイフィドは最大8Gの機動を行っている戦闘機から発射可能とされています。このような高い機動性と引き換えにAA-8エイフィドは射程距離や威力が犠牲となっています。このためAA-8エイフィドで目標を確実に撃墜するためにはほぼ有視界戦闘と言えるほど近い距離まで接近して発射する必要があります。

<戦果>
残念ながら実戦においてAA-8エイフィドが大きな戦果を挙げたという記録は見当たりません。1982年のレバノン侵攻の際の空中戦においてシリア軍のMiG戦闘機がイスラエル空軍機に対して数発のAA-8エイフィドを発射しましたが命中したという記録は確認されていません。6月6日のレバノン侵攻戦から8月までにイスラエルは85機のシリア軍ジェット機と多数のヘリコプターを撃墜したと言われています。これに対してイスラエル側の損害はゼロというのがイスラエルの主張です。米軍筋の情報では少なくとも2機のA-4と1機のF-4、数機の攻撃ヘリコプターが撃墜され、F-16含む数機がAAAとSAMによって損害を受けたと言われています。しかしイスラエル側の地上レーダーや早期警戒機、戦闘機のレーダー性能を考えると最大射程5kmのエイフィドが活躍する機会はほとんど無かったと思われます。ちなみにシリア側の撃墜の多くは6月8日から11日にかけて行われたベッカー高原での格闘戦によるものですが、イスラエル側は58対0の完勝記録を樹立したと主張しています。

<バリエーション>
R-60M:改良型
R-60MK:輸出型
UZR-60:訓練弾


AA-8エイフィド空対空ミサイル

AA-8 Aphid Air-to-Air Missile


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